元本が減るから資産運用をしたくないという人はそれなりにいます。中には資産運用をギャンブルと同じという人もいます。
確かに日本はバブル以降、経済が低迷し、給与も物価も上がらない状態が長く続きました。いわゆるデフレの状態ではお金の価値そのものは高くなるので超低金利で銀行に預けていても実質的にはお金は増えますが、最近はそうでもなくなってきました。
そのことに気づかないでいるといつの間にか一生懸命に貯めたお金の価値が減っているかもしれません。お金を減らしたくないから運用しないようにしていたのに知らぬ間にお金の価値が減っているのはなんとも皮肉なことです。
今日は資産運用しないことが実はリスクであるというお話です。
どのくらいの人が資産運用しているのか?
日本はバブル以降、保守的な国民性が一層保守的になり、金融資産の大半が預金となっています。具体的には53%が預金となっており、株・投資信託はわずか15%となっています(2021年日銀資金循環統計)。
一方、アメリカは、預金が10%程度、株・投資信託は50%弱と日本と真逆となっています。つまり、日常生活に必要なお金を現金として確保し、それ以外は資産運用に回しているのです。
これは国民性もありますが、義務教育期間中に金融教育が行われているか否かということも大きく影響していると思います。アメリカの多くの州では子どものころからお金に関することを学ぶのでマネリテラシーが日本よりも高いこともあるのでしょう。
運用しなくても資産は減る・・・
預金していれば本当に元本は減らないのでしょうか?そうとも言えないと思っています。その理由は大きく「低過ぎる預金金利・高すぎる手数料」「物価・税金・公的保険料の上昇による目減り」の2点です。
みなさんは毎年の預金してどの程度の金利をもらっているでしょうか?一方で手数料等をどれだけ払っているでしょうか?現在のメガバンクの預金金利は0.002%程度で、100万を一年間預けても金利はわずか 20円(税引前)です。それなのに引き出し・送金手数料で数百円も取られていまします。利息なんて一瞬で吹き飛んでしまいます。
冒頭でも書いたように日本は長らく物価が上がらない状態が続いています。それがいつの間にか値上げしないことが美徳とする文化も醸成されました。ただ、世界全体では経済成長を続けているので生活に必要な食料や化石燃料は値上がりを続けています。日本は豊かになった国々との間で買い負けることも多くなってきました。でも、生活必需品に関しては購入せざるを得ないことから高値で購入した原材料が販売価格に転嫁され物価が上昇しています。
これ以外にも日本には多くの課題があります。財政悪化・天災により上がり続ける税金や、現役世帯の減少・高齢者の増加によって上がり続ける健康保険料・年金によって額面上の収入は変わらなくても手取りが年々減少し、貯蓄が難しくなっているのです。
つまり、苦労して貯めたお金の価値が知らぬ間に目減りしているのです。
労働を提供して稼ぐ時代は終わろうとしている
特に日本では「汗水垂らして働き、コツコツと貯金することが豊かな老後を迎える条件」だと思っているが多いです。ただ、その頑張りは報われないかもしれません。
今後更なる発達が予想されるAIの進化で多くの仕事が淘汰されるでしょう。それも単純な仕事ほど淘汰される可能性が高いです。
かつては大黒柱である夫が出世することが家計を豊かにする条件でした。それが今では一人ではやっていけないので共働きすることが当たり前になっています。それでも上がらない賃金によって家計が劇的に改善している人は少ないと思います。でも、それがAIによって更に悪い方に変化する可能性があるのです。そうなると単純労働の賃金は減り、求人も少なくなります。このような仕事で共働きをしているのにも関わらず、日々の生活すらままならなくなる可能性だってあります。
それなのに、一生懸命貯めた預金が増えるどころか世の中のインフレによって目減りしてしまったら目も当てられません。そうならないように稼ぎ方を考える必要がある時代がすぐそこまで来ているのです。
そうだ資産運用を始めてみよう!
自転車にいきなり乗れる人がいないように、いきなり資産運用で利益を挙げることができません。中にはビギナーズラックで大当たりする人もいますが、長くは続かないでしょう。
なので、いきなり数百万もの大金で運用するのではなく、数万、数十万で株を買ってみましょう。不思議なもので資産運用関連の本を読むとなんか稼げそうな気がしてきます。「ゴールデンクロスで買って、デットクロスで売ればいいんだ!」と実際やってみると上手くいきません。騙しや相場の急変に巻き込まれなかなか上手くいかないことが分かります。まずは少額で練習し、ある程度学んだら少しずつ金額を増やしていくことをお勧めします。また、資産運用の方法も株に限らず、為替、投資信託、債券、ソーシャルレーティングから、高いリターンは狙えるものの、リスクも高い仮想通貨やFX、先物まで多数の投資先があります。色々なものに投資してみて自分に合うものを見つけましょう。
間違っても退職金やボーナス・貯金の全てを銀行員や証券マンの口車に乗って買ってはいけません。数多あるネットのコラムで、資産運用で失敗した人の二の舞になってしまいます。
それでも自分のお金をいきなり運用するのは怖いという方はポイント投資というのもあるので、それから始めても良いかもしれません。
最後に、資産運用をしないことがダメだと言っているわけではなく、それだけのリスクを孕んでいるんだと言うことを理解してほしいものです。
本日もお付き合い頂きありがとうございました。
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